社会インフラ事業
社会的な課題を解決し、構造物の安全性を確保。
高度経済成長と共に整備された社会資本(インフラ)は、老朽化が加速的に進んでいます。
その中、国土交通省は2013年を「社会資本メンテナンス元年」と位置付け、老朽化対策の全体像を3箇年にわたる「社会資本の維持管理・更新に関し当面講ずべき措置」としてとりまとめ、総合的・横断的な取組みを推進してきています。
従来のインフラ点検では、時間とコストがかかることから、デジタル化によるスピード化やコストダウンなどの効率を求められています。国土交通省はインフラのデジタル化・i-Constructionを推進しており、特にデジタル化は必須となっているため、当社ではインフラの維持管理に伴う、デジタル点検を提案しています。
コンクリートの検査・点検方法
調査内容 | デジタルシステム(非破壊検査) | 従来のシステム |
---|---|---|
コンクリート圧縮強度 | 超音波法 衝撃弾性波法 |
コア採取 反発度法(シュミットハンマー) |
鉄筋位置、かぶり(鉄筋探査) | 電磁波法(レーダー法) 電磁誘導法 |
はつり調査 |
鉄筋腐食状況 | 自然電位法 分極抵抗法 |
はつり調査 |
浮き・剥離 | 赤外線法(遠望) | 目視調査 打音調査 |
ひび割れ深さ 空隙・ジャンカ位置 PC鋼材のグラウト充填状況 |
超音波法、衝撃弾性波法、放射線(X線)透過法、打音振動法ファーバースコープ、CCDカメラ | スケール調査 コアボーリング はつり調査 |
塩化物イオン浸透深さ(塩化物イオン含有量試験) | 技術例参照(株式会社XMAT) | コア採取 ドリル採取 |
中世化深さ(中性化試験) | ― | コア採取 ドリル採取 |
図解 維持・補修に強くなる(日経BP社刊)から抜粋
コンクリート構造物のデジタル非破壊検査技術(例)
塩化物イオン浸透深さ(スクリーニング)
塩化物イオンを、VANTA(ハンド蛍光X線測定器)により測定を行い、コンクリート表面とコンクリート内面の塩化物イオン濃度の相関を調べて、必要であれば詳細点検を実施する。データをInfraScope(インフラスコープ)®へ転送し、コンクリート構造物内にある塩化物イオンの分布の見える化を図る。開発元:株式会社XMAT(クロスマテリアル)
- InfraScope(インフラスコープ)®
- 社会インフラについてデジタル点検・調査を行う際、InfraScope(インフラスコープ)®を使用することによりインフラの状態や劣化状態を可視化する。
インフラ構造物のデジタル点検フロー
国土交通省が調査した建設後50年以上経過する社会資本の割合は、道路橋(約40万強)で、2025年では約43%、2035年には約67%に達するという試算がある。このように、老朽化の進む中で、デジタル点検により全体のスクリーニングを行い、早期に劣化度状態を把握することが求められている。
定期点検サイクル
- デジタル点検によるスクリーニングを実施することにより、大量点検の効率化を図れる。
- InfraScope(インフラスコープ)®によりデジタル化する事で、経年劣化の可視化が可能となる。
- 点検や劣化をデジタル化する事で、若手教育にも役立てられる。