環境・資源事業

IGCCスラグのコンクリート混和材としての活用。

新しいタイプ石炭火力発電プラントである石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)からは、フライアッシュやクリンカアッシュではなく、石炭ガス化スラグ(IGCC スラグ)が副産されます。IGCCプラントは、従来のプラントに比べて発電効率に優れるため、温室効果ガス削減の観点からも今後広まっていくものと予測され、副産する IGCC スラグの有効利用方法の確立が望まれています。
今後とも石炭を活用し、エネルギー需給安定化に貢献していくためにも、環境対策や石炭灰・スラグの削減・有効利用方策の確立が必要不可欠です。

事業の概要

 IGCCスラグや石炭灰を、コンクリートの強度促進混和材にするため、
国立大学等と共同研究中です。

IGCCスラグの特徴

IGCCスラグの組織成分は、フライアッシュとほぼ同じなので、粒形を整えコンクリートの強度促進混和材として共同研究中です。
特許出願中

石炭灰の特徴

石炭灰は、炭種や燃焼方法により各々異なった性状をしています。それを改質により、コンクリートの強度促進剤等になるように共同研究中です。

コンクリート圧縮強度(IGCCスラグ微粉末)

IGCCスラグ微粉末を外割20%添加することにより、長期強度が増すことが分かりました。
今後も、添加量を増やすなど様々な配合による効果の検証を実施していきます。

ポゾラン反応

IGCCスラグ微粉末もフライアッシュと同様に、長期にわたってポゾラン反応の確認が見える。

ポゾラン反応

用語集

石炭灰とは?
石炭灰(クリンカアッシュ+フライアッシュ)は、主に石炭火力発電ボイラーで石炭(微粉炭)を燃焼させた際に発生する副産物です。
フライアッシュとは?
フライアッシュは、火力発電所で石炭を燃焼した時に生成される球形微細な灰。コンクリートやモルタルに混和し、フライアッシュセメントとして用いる。セメントにフライアッシュを混ぜることで、ひび割れ現象が起こりにくくなる。フライアッシュコンクリートの特長としては、長期強度の増進、乾燥収縮の減少、水和熱の減少、水密性の向上、ワーカビリティーの向上などが挙げられます。
クリンカアッシュとは
クリンカアッシュは、石炭を燃焼させた時に発生する石炭灰のうち、ボイラの底部に落下した石炭灰の塊を回収し、脱水・粉砕した灰のことです。石炭灰の約10%がこのクリンカアッシュです。
IGCC(石炭ガス化複合発電)とは?
従来型石炭火力では、多量の石炭灰が発生しますが、IGCCではガラス状のスラグとして排出されるため容積がほぼ半減できます。またスラグは、セメントの原材料や路盤材等としてリサイクルが可能です。